- 2009-04-01 (水) 23:37
- 正岡子規

愛知県一宮市木曽川町のJR木曽川駅近くの公園に「俳聖正岡子規 見染塚」という記念碑が建てられています。

俳聖正岡子規 見染塚
明治24年の夏、正岡子規が木曽路を経て美濃伏見から舟で木曽川を下り、北方で下船、木曽川停車場から汽車に乗るつもりで駅前の茶店で休憩しました。
この時の思いでを、明治32年7月、子規が発表した小作品「旅」の中で記しています。
一生に只一度の思ひは残る木曽川の停車場とて田の中に茶店三軒、其一軒に憩ひて汽車待ち合わせしに、丸顔に眼涼しく色黒き女十六ばかりに何の見処も無きが、これは又如何にしてか心の奥までしみ込んで、ここに一夜を明かす言い草まで考へつかぬ内に汽車が参りました。お急ぎなされませ、と彼女がかひがひしく我荷物さきに持ちて走るに、我もおくれじと、汽車に走りこみける。其無邪気な顔、どうしても今に忘れられず。
その後、この女性は実在するのかという議論がわき、大正8年、一宮市浅井の郷土史家・森徳一郎氏が調べたところ、木曽川町黒田の松本松之介二女「わく」(明治4年生)であることが判明します。
そして大正10年にわくの写真が発見されます。
その女性の写真がこちらになります。

わく
ミス木曽川と呼ばれた“わく”は、色は黒いが「美人」であったため、すんなりとこれが子規が見染めた女性だと決まってしまうのです。
しかし、この“わく”という女性、名前の通りいろいろといわくある女性であった為、この事もあり、子規の友人である柳原極堂は「子規を冒涜するものである」と猛反対します。
極堂は、これは子規が文章を盛り上げるために女性を登場させ、おもしろおかしく書いただけのものであると説明しています。
さらには、駅前の宿屋の主人が、わくは偽者、我娘こそ本物であるなどと、第二の女性が現れるなどして、まるでお昼のワイドショー並に盛り上がります。
やがて、この話も落ち着いて、今では「わく」こそが子規の見染めた女性とされてはいますが、
果たしてこの真相やいかに?
子規居士のみぞ知るエピソードです。
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